Aero 剛性感MAXシャープペン

数多くの筆記具をレビューしてきたSeasarが、2年の歳月と多額の製作費を費やし開発した、剛性感MAX・フルメタルボディの高級シャープペン。

43gという重量級のシャープペンが演出する極上の書き味は書くことを楽しくさせます。

ボディ表面にはクリアコート塗装を施し、もっちりとした感触とグリップ力が特徴的。
金属製芯タンクにも塗装を施し、ペン内部まで美しいシャープペン。

流線型のボディは美しさだけでなく、握りやすさも両立。

挟みやすい可動式クリップ。

ボディの美しさを引き出すため、ロゴはクリップ側面に小さく刻印。

筆記振動の個体差なくすため、2種類の太さのリングを同梱。
お客様ご自身の個体に合ったリングをお使いください。

■SPEC
・生産国：日本
・芯径：0.5mmのみ
・カラー：ガンメタル、ダークブラウン
・重量：43g
・全長：140mm
・最大径：φ12mm（中央のリング部分）
・重心位置：先端から70mm
・ガイドパイプ：3mm（固定式）
・チャック：金属チャック（クッション機能無し）
・クリップ：可動式（最大4.5mmの厚さまで挟めます）
・消しゴム：クリーナーピン無し

■素材
・チャック：金属製
・グリップ：真鍮（3コート塗装、艶有り）
・後軸：アルミ（3コート塗装、艶有り）
・クリップ：亜鉛ダイキャスト（2コート塗装、艶消し）
・ノックキャップ：真鍮（2コート塗装、艶消し）

※2コート、3コートの違い
3コートは3層の塗装で、最上部にクリア塗装を施しています。
2コートは2層の塗装で、クリア塗装を施しておりません。

■交換用パーツ
・口金はこちら

動画はこちら：https://youtu.be/ikoEPvrmjXw?si=BhPqfMgkdQnWnTnc

ご視聴いただき、誠にありがとうございます。もの作りは、どの要素を重視するかという取捨選択の側面があると考えており、全ての項目を完璧にすることは大変困難です。例えば、ペンを重くいたしますと書き味は向上しますが、一方で軽快さが損なわれるといったように、利点の裏側にある欠点につきましても、包み隠さず皆様にお伝えするべきであると考えております。ご購入を検討されていらっしゃるお客様は、これらの点も踏まえてお考えいただけますと幸いです。

大変長い動画になるかと存じますが、私自身の人生をかけて製作したシャープペンシルでございます。その熱意が皆様に伝わりますと幸いです。

■概要
はじめに、こちらのシャープペンシルの概要について、簡単にご説明いたします。「SEASAR Aero」は税込11,000円でございます。空力を思わせる流線型のデザインから、「空気力学的な、流線型の」という意味を持つ「エアロ」という名称を採用いたしました。クリア塗装による艶やかなボディと、43gの重量級ボディが生み出す極上の書き味を特徴としております。所有すること、書くことそのものが楽しくなるような高級シャープペンシルです。カラーはガンメタルとダークブラウンの2色展開でございます。

■特徴1：日本製
「Aero」の特徴を10個にまとめましたので、ご紹介いたします。
特徴の1つ目は、日本製であることです。あらゆるシャープペンシルをレビューしてまいりましたが、内部機構の品質は日本が世界一であると確信しております。ノック音の心地よさや耐久性の高さといった安心感は、日本ではなければ実現できない品質です。今回製造を依頼いたしましたのは、日本国内の筆記具製造メーカー様です。私自身が存じ上げている著名なペンも製造されている工場であり、大変信頼を置いているメーカー様に製造をお願いいたしました。メーカー様にとっても今回の「Aero」は初めての試みが多く、大変ご尽力いただきましたが、その高いポテンシャルを最大限に引き出したシャープペンシルが完成したと自負しております。

■特徴2：剛性感MAX フルメタルボディ
このペンの最大の特徴は、書き味に徹底してこだわった点かと存じます。重量は43gと、30gを超えると重いとされる中で、それを大きく上回る大変重量級のシャープペンシルです。グリップには真鍮、上部軸にはアルミニウムを使用したフルメタルボディが生み出す書き味は極上でございます。分解いたしますと、グリップ部分には大変肉厚な真鍮製グリップを採用していることがお分かりいただけます。このグリップだけで15gもの重量がございます。参考までに申し上げますと、「カヴェコスペシャル」が15.5gですので、ほぼ同等の重量がこのグリップに凝縮されており、非常に高密度なグリップとなっております。そして、分解した際に現れる中軸という部品も真鍮で製作しております。ただ、全てを真鍮で製作しますと過度に重くなってしまうため、上部軸は軽量なアルミニウムを採用いたしました。重心は先端から70mmの位置にあり、決して低重心ではございません。しかし、実際に持っていただくと重心の高さを過度に感じることはなく、実用的なスペックの範囲に納めた重心バランスとなっております。筆記時の心地よい振動音は、ぜひお聴きいただきたい点で、私自身が所有するシャープペンシルの中でも最上級の感覚でございます。この感覚が、書くことの楽しみを一層深めてくれます。

■特徴3：筆記振動抑制パーツを2種類同梱
こちらも書き味に関わる重要な部分です。このペンを分解しますと、POM樹脂製のリングが取り付けられていることがお分かりいただけます。これは、キャップと軸の隙間から生じる筆記時の振動を抑制するための部品です。このシャープペンシルをご購入いただいたお客様には、直径がわずかに異なる大小2種類の筆記振動抑制パーツをお送りいたします。今回のサンプルではブラックと乳白色の2色ですが、皆様にお届けする製品では両方ともブラックで統一し、大きい方のリングにのみ識別用の一本の切り込みを入れる仕様でございます。なぜ大小2種類の部品が必要かと申しますと、上部軸には塗装が施されており、その塗膜の厚みが個体によって微妙に異なるためです。塗膜が厚いほど内部の穴の直径は小さく、薄いと大きくなります。そのため、各個体に最適な直径のプラスチック部品でなければ、振動を完全に解消することはできません。全てのペンに同じ直径のリングを使用した場合、個体差によって振動が生じる可能性がございます。そこで、筆記振動を極限まで抑制するために、直径の異なる2種類のリングをお届けすることにいたしました。まず、初期状態で装着されているパーツをお試しいただき、もし振動が気になる場合は、同梱されておりますもう一方の大きいパーツに付け替えていただくことで、さらに振動を抑制できます。ただし、個体によっては大きい方のリングを装着した際に、軸の取り外し時にリングも一緒に外れてしまう可能性がございます。これは寸法を限界まで突き詰めた結果、避けられない事象でございますので、何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。上の軸を分解される機会は多くないかと存じますので、2種類の樹脂リングからご自身のペンに合ったものをお選びいただき、セットしていただく方針とさせていただきます。全ての個体の筆記振動を完全にゼロにすることは困難ではございますが、可能な限り振動を抑えるべく、このような形でお届けさせていただきます。このようなカスタマイズ性の高さや細部へのこだわりも、ご満足いただける点になるのではないかと考えております。

■特徴4：可動式クリップ
私自身、様々なクリップに触れてまいりましたが、特に可動式クリップの機能性を高く評価しております。内部にバネが組み込まれているため、軽い力で大きく開くことができるのが特徴で、大変実用性の高いクリップとなっております。また、通常の板状の金属を折り曲げて作るクリップとは異なり、塊感のある立体的なデザインが可能で、デザインの自由度が高い点も魅力です。私が一からクリップをデザインし、約200万円をかけて金型も製作いたしました。この小さな部品一つにも、徹底的にこだわっております。素材は亜鉛ダイキャストです。これは、たい焼きの型をイメージしていただくと分かりやすいかと存じます。溶かした金属を金型に流し込み、合わせることでこのクリップの形状を成形いたします。ただ、このクリップは試作段階で大きなバリが発生するという課題がございましたので、バリ取りの専門業者様にも依頼し、丁寧にバリを除去しております。そのため、多くの工程を要する、コストのかかったクリップとなっております。

■特徴5：3mmガイドパイプ
ガイドパイプは3mmを採用いたしました。2mmでは短すぎ、4mmでは長すぎると考え、開発当初から3mmにすることを決めておりました。現在SEASARブランドで開発しております他のシャープペンシルも、3mmで統一しております。また、別売り口金についてですが、先週の動画に「先端のガイドパイプが折れた際に、口金だけで購入できるようにしてほしい」というご意見を多数いただきました。これほど重量のあるシャープペンシルですので、机から落下した際のリスクは大きいと考えております。そのため、今後口金のみでもご購入いただけるように準備を進めております。今回の受注生産ではシャープペンシル本体のみの販売となりますが、今後の通常販売の際には口金単体での販売も開始する予定です。高価なシャープペンシルだからこそ、安心してご使用いただきたいという想いから、このようなサービスも充実させてまいりたいと考えております。貴重なご意見、誠にありがとうございました。

■特徴6：Designed by Seasar
このペンのデザインは、外部のデザイナーに依頼したものではなく、完全に私が手掛けたオリジナルデザインでございます。デザインをするにあたり最初に考えたことは、全ての部品が調和した美しいデザインであること、そして握りやすいフォルムであることです。私にとって最も握りやすい形状は、グリップ部分が少し膨らんだ形でした。そこに美しさを加えるため、ペンの後端も少し膨らませ、全体にくびれを持たせたデザインといたしました。その着想を元に、手描きでスケッチを重ね、3Dソフトも一から学びながら少しずつ微調整を繰り返し、現在の形にたどり着きました。デザインで特に苦心したのは、ノックキャップの形状です。一般的なノックキャップを取り付けますと、キャップが細くなりすぎ、全体のフォルムとの間に違和感が生じてしまいました。このくびれたフォルムに自然に調和するデザインを試行錯誤した結果、かなり幅広のノックキャップを採用し、キャップが見える長さを極力短くいたしました。キャップの細くなっている部分は、ノックに必要な可動域をぎりぎりで確保した設計となっております。ノック時に指が触れる面積が非常に広いため、指が痛くならない点も魅力かと存じます。良い意味で、従来のシャープペンシルらしくないデザインになったのではないでしょうか。クリップのデザインも、立体的で非常に難しい部分でした。流線型のフォルムに合うよう、繊細で美しいクリップを目指し、ここも何度も描き直して調整した箇所です。横からご覧いただくと、クリップの厚みが根元から先端に向かうにつれて細くなっていることがお分かりいただけます。また、正面から見た際にも、ボディの形状に沿うように先端が細くなるよう設計しております。私自身、筆記具をデザインするのは初めての経験で、初期の3Dプリンターによる試作品は、細すぎたり、どこかしっくりこなかったりという状態でしたが、何度も試作を重ねる中で、最終的には非常に自然で美しいデザインに仕上がったと考えております。一つの部品が美しくても、全体と調和しなければ違和感のあるデザインになってしまいます。初めてシャープペンシルのデザインを手掛け、その難しさを痛感いたしました。

■特徴7：シンプルなロゴ
こちらのシャープペンシルには、唯一のロゴをクリップの側面に配置いたしました。片面には「SEASAR」、反対側には日本製を表す「JAPAN」という文字をレーザーで深く彫刻しております。これにより、シンプルでありながら、くっきりとした立体感のあるロゴに仕上がっております。世の中の多くのシャープペンシルは、ボディ本体にロゴを配置しているかと存じますが、それはそれで素晴らしいデザインである一方、私としましては、この美しいくびれたフォルムには何も文字を入れたくないという強い想いがございました。そのため、なるべく目立たないよう、クリップの側面に小さく彫刻を施しております。金型で製造しておりますので、本来は金型自体にロゴを彫り込むことも検討いたしましたが、ロゴが非常に小さいことや、デザイン性の高いフォントを採用した関係で実現が難しく、成形後にバリを取り、彫刻を入れ、最後に塗装を施すという工程でクリップを製作しております。

■特徴8：クリア塗装
これもシャープペンシルとしては珍しい塗装方法かと存じます。光沢のある部分は、3回にわたって塗装を行う3コート塗装を施しております。最上層にはクリア塗装、すなわち透明な塗料を吹き付けており、艶やかな光沢感が特徴で、まるで自動車のボディのような存在感を放ちます。もともとボディは2コート塗装の予定でございましたが、最初の試作品が滑りやすいという課題がございました。より滑りにくいグリップ性を追求した結果、この上にクリア塗装を施すことにいたしました。これにより、もっちりとした質感でグリップ力が高まり、2コートのグリップに比べて明らかに指に吸い付くような感触を実現しております。今回クリア塗装を施していることでの注意点としましては、引っ掻き傷に対して特別に強いわけではないという点がございます。尖ったもので引っ掻いてしまうと、凹みのような跡が付く場合がございますので、ご使用の際にはその点にご注意いただければと存じます。実際に、クリップと軸が接する部分には、点の様な跡が付くことがございます。ここは開いてよく見なければ分からない箇所ではございますが、そのような跡が付きやすい点につきましては、あらかじめご了承いただきたく存じます。ペンケースに収納してご使用になる際は、一本ずつ傷から保護できるタイプのペンケースをお勧めいたします。私どものSEASARブランドでも、1万円以下のペンケースの開発を進めておりますので、ご期待いただけますと幸いです。また、「クリア塗装が少し安っぽく見える」というご意見を数件いただきましたが、これは私の写真の撮り方に起因する部分もあったかと存じます。感じ方には個人差があるかと存じますが、実際に製品をご覧いただければ、安っぽさを感じることはないのではないかと考えております。この光沢のある高級感は、個人的には大変気に入っております。

■特徴9：芯タンクに塗装
芯タンクは、一般的なプラスチック製ではなく、金属製を採用いたしました。ここまでこだわったボディでありながら、芯タンクだけが樹脂製では統一感に欠けると考え、金属製といたしました。この芯タンクのこだわりは、さらに塗装を施している点にございます。通常の金属製芯タンクは、銀色のメッキ加工がほとんどです。そこに敢えて塗装を施しました。これもまた、かなりのコストがかかっております。正直なところ、芯タンクにまで塗装を施したシャープペンシルを、私はこれまで見たことがございません。他にも存在する可能性はございますが、芯タンクの内部にまでこだわるブランドは、なかなか無いのではないかと思います。なぜ塗装にこだわったかと申しますと、分解した際にも格好良くありたい、そして、分解された方が「こんなに細かいところまでこだわっているのか」と驚いていただきたいという想いからです。金属製タンクだけでも満足度が高いものですが、そこに塗装まで施してしまうという、開発者のこだわりが垣間見える部分となっております。

■特徴10：グリップ交換できる
そして最後の特徴は、グリップを交換することができる設計になっている点でございます。先日の動画で「木軸のシャープペンシルも作ってほしい」というコメントを頂戴いたしましたが、実は、木のグリップに交換できる仕様を構想しております。具体的には、まずシャープペンシル本体をこの金属グリップの状態でご購入いただき、将来的に別売りの木製グリップと、それに合う太さの口金をセットで販売するというイメージです。木のグリップとなりますと、金属ほど先端を細く加工することが難しいため、形状のイメージとしましては、お見せしている3Dプリンターの試作品のような、金属製グリップよりもやや太めのフォルムになります。それに伴い、口金のサイズも少し太くなるため、木製グリップと口金をセットでお届けしたいと考えております。まだ木製グリップの試作が完了しておらず、完成イメージをお見せできず大変申し訳ございませんが、このようにグリップ交換が可能な設計で製作しておりますので、今後の展開にご期待いただけますと幸いです。懸念点としましては、木材は真鍮に比べて軽いため、グリップを交換した場合の重心バランスの変化がございます。真鍮グリップよりも確実に重心が高くなりますので、その点はご了承いただきたく存じます。木製グリップ以外にも、ローレットタイプのグリップのみを販売するなど、カスタマイズをお楽しみいただけるような展開も考えております。最後に、本当に細かい設計の部分ですが、グリップを分解しますと、中軸が正方形の断面に削られており、グリップ側にはその形状に合うように凹みが設けられております。これは、筆記中にグリップが回転してしまうことを防ぐための工夫です。最初の試作品ではこの加工がなかったため、書いているうちにクリップが回転してしまい、ストレスを感じることがございました。この加工は、成形後にわざわざ削り出す必要があるため、コストが大幅に増加した部分でもございます。四角形に加工しているため、90度ごとに正面の位置を変更することが可能です。将来的に木製グリップを製作する際にも、木目の美しい位置をお好みに合わせて90度ごとに調整できるため、木目にこだわる木軸ペンの愛好家の皆様にもご納得いただけるような製品を作りたいと考えております。

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